著者
三宅 章介 大矢 佳之 飯田 博
出版者
東海学園大学
雑誌
東海学園大学研究紀要. 経営・経済学研究編 (ISSN:13491601)
巻号頁・発行日
vol.13, pp.95-122, 2008-03

企業競争がグローバル化し、また、景気も比較的よいこともあって学生の就職内定率は向上しているといわれている。しかし、このことは学校間によって大きな格差があり、もし多くの学生が就職で当なければ、彼らはその段階で職業生活の将来展望を描くことが困難になるだろうし、また、学校も社会的に低い評価を受けることになるだろう。そのため、学校では学生たちに対しキャリア教育とかキャリア開発とか称して、挨拶や礼儀作法、言葉遣いなどのコミュニケーション能力向上のために面接訓練、職業適性検査、教養試験等を行い手厚い就職対策を行っている。そこで、採用試験を受ける学生がその成果を採用試験に際してどのように評価しているのか、また、同時に、事業所(愛知県三河地域所在)では、採用業務において書類選考、面接試験についてどのような評価基準を設けているのかを比較研究することにした。なおこの研究は、採用された者と事業所の評価を比較することもあり、学生の代わりに当該事業所に勤務する入社3年以内の若年社員に対して、入社試験当時のことを想起してもらうことにした。この結果、調査結果の概要では、書類選考では12項目全てにおいて事業所が高い評価をしていたこと、面接試験でも22項目のうち事業所は18項目が高く、若年社員が高かったものは持ち物や服装など外面的な評価項目だけであった。また、女性は男性よりも高い評価基準を持っていることなどが分かった。