著者
大石 和世
出版者
日本文化人類学会
雑誌
日本文化人類学会研究大会発表要旨集 (ISSN:21897964)
巻号頁・発行日
vol.2008, pp.3-3, 2008

朝鮮半島では、10代前半の男女が結婚、または、女児が結婚を前提として夫方の家に入ることがしばしばあった。このことは、旧韓末以降、国家、知識人らが朝鮮半島の住民を啓蒙する際に問題化した。したがって、婚姻に関して法的な規制が行われ、また、複数の新聞・雑誌媒体を通して近代的知識人によって、早婚の弊害についての啓蒙的な宣伝が行われた。さらに、朝鮮の早婚にかかわる調査、研究、小説などが生産された。このように、「早婚」という問題は、法と教育、学術、文学の言説の交差する場であった。