著者
大石 美緒子
出版者
富山大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2010

今回の研究では、まずcaerulein投与後の膵組織で炎症を分子レベルで確認した後、このモデルが急性膵炎の疼痛を再現しているか否かを検討した。その結果、内臓痛・関連痛ともにcaerulein群と対照群間で有意差を認め、本モデルを疼痛面をも再現する急性膵炎モデルとして確立した。この動物モデルを使用し、急性膵炎における疼痛発現機序の検討を行った。その結果、末梢知覚神経系におけるBKやTRPV1、ならびに中枢神経系におけるcox-2が本モデルにおける疼痛に関与する可能性が示唆され、急性膵炎における疼痛のメカニズムの一部を解明した。