著者
長島 彦衛 大竹 通男 勝田 金太郎
出版者
Japanese Society of Sheep Science
雑誌
日本緬羊研究会誌 (ISSN:03891305)
巻号頁・発行日
vol.1982, no.19, pp.14-17, 1983

めん羊脱線血作製について, 従来から行われているビーズ玉法と, 今回考察したブラシ法について, 脱線血獲得量, Ht値, 血球抵抗性, 溶血度および無菌性について両法を比較検討した結果, 次のように要約される。<BR>1. 脱線血獲得量は, ビーズ玉法では平均52.1±15.0 (SD), ブラシ法では平均70.8±2.5 (SD) であり, ビーズ玉法に比べブラシ法が勝っていた。<BR>2. Ht値および血球抵抗性では, 両者に際立った差異は認められなかった。<BR>3. 溶血度は, ビーズ玉法で平均1.112±0265 (SD) に対し, ブラシ法では平均0.637±0.153 (SD) であり, ブラシ法のほうが優れていた。<BR>4. 無菌性においては, ビーズ, ブラシ法の両法に顕著な差異はみられなかった。<BR>以上の成績から, ブラシを使用しためん羊の脱線血製法は, ビーズ玉法に比較して有効な脱線血製法であることが認められた。