著者
平岩 洋美 福嶋 友美 大西 文子
出版者
一般社団法人 日本小児看護学会
雑誌
日本小児看護学会誌 (ISSN:13449923)
巻号頁・発行日
vol.17, no.1, pp.51-57, 2008-03-20 (Released:2017-03-27)
参考文献数
7
被引用文献数
2

本研究の目的は、乳幼児の採血・注射における親の同席の現状と親の同席に対する看護師の認識の把握および親の同席に対して小児看護としてどのような取り組みがされているかを明らかにすることである。調査期間は平成17年8月3日〜9月7日。調査方法はA県内にある9施設の小児科に勤務している看護師226名に対し、自作の質問紙調査を実施した。結果は、(1)親の同席が必要であると考える看護師は約3割であった。(2)親が同席できる選択肢を持つ病棟は約7割であり、増加傾向にあった。(3)看護師は経験年数に関係なく、親の同席がない場合と比較し親の同席がある場合は精神的負担・緊張を多く感じていた(p<0・0001)。(4)親の同席への取り組みは看護師同志の意見交換が最も多かったが、看護師が役立つと考える取り組みは医師との意見交換・話し合いであった。
著者
大西 文子
出版者
日本小児看護学会
雑誌
日本小児看護学会誌 = Journal of Japanese Society of Child Health Nursing (ISSN:13449923)
巻号頁・発行日
vol.15, no.2, pp.30-38, 2006-09-20

本研究の目的は、点頭てんかんを持つ子どもの母親11名を対象に、日常生活における療育体験とその思いを明らかにすることであった。母親の療育体験とその思いは、点頭てんかんの早期確定診断・早期ACTH治療の開始の希望とそれができなかったことへの後悔、病気に対する不十分な告知のために発作が止まって訓練をしたら発達するという思いで必死になって訓練に通った、日常生活における具体的な過ごし方が分からない、などがあり、医師・看護師の不適切な対処への不満があった。母親の希望として、重積発作に対する救急体制整備、入院中の付き添う母親の人権尊重や生活条件の確保、療育体制の改善や情報提供、きょうだいや学校および社会の偏見への改善があった。その他では、母親は24時間ケアが集中する母親のストレスに対するコーピング行動を持っていること、母親の癒しは家庭とこの子の笑顔、この子のおかげで価値観が変わった、があった。