著者
山極 哲也 松屋 美幸 伊藤 怜子 大西 直世 来住 知美 小林 正行
出版者
日本緩和医療学会
雑誌
Palliative Care Research (ISSN:18805302)
巻号頁・発行日
vol.18, no.1, pp.49-54, 2023 (Released:2023-02-13)
参考文献数
14

日本バプテスト病院では,ホスピスを中心に,約70名のボランティアが活動している.2020年2月,新型コロナウイルス感染症(COVID-19)流行により,多くのホスピス緩和ケア病棟でボランティア活動が休止される中,チームの一員であるボランティアの活動を継続するための方法を模索してきた.直接患者と交流する代わりに,作品や植物を通して季節や社会の風を届ける工夫や,オンラインによるスタッフ会議や遺族会の開催など,新たなボランティア活動の方法を見出すことができた.また,院内COVID-19対策会議にホスピス担当者も参加し,最善のケアのためにはボランティアの存在が重要であることを病院全体で共有した.そのうえで,「COVID-19流行状況に応じたボランティア活動指針」を感染対策チームと共同して作成し,感染対策に配慮したうえでボランティア活動を継続することが可能となった.