著者
大谷 昌弘 浦野 直樹 上田 徹
出版者
一般社団法人映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会誌 : 映像情報メディア (ISSN:13426907)
巻号頁・発行日
vol.57, no.11, pp.1459-1464, 2003-11-01
被引用文献数
8

IEEE802.11委員会により標準化が行われている無線LAN (Local Area Network)規格が近年著しい進展を遂げている.同委員会は物理層方式として1997年に最初の3方式を規定した後,1999年には802.11bおよび802.11a方式,2003年には802.11g方式の標準化を完了している.しかしこれらの上に積まれる802.11MAC (Medium Access Control)層にはQoS (Quality of Service)確保のメカニズムが存在しなかったため,同MAC層を用いた映像・音声データの伝送は事実上困難であった.そこで同委員会は上記問題を解決するためのTGe (Task Group E)を1999年に結成した.ここで現在審議されている802.11eの標準化が完了すると,それぞれの映像や音声データに必要な帯域を確保した上でそれらを無線伝送することが可能となる.本稿では802.11eの最新の仕様内容についてその概要を述べる.