著者
清島 真理子 森 俊二 大谷 道広
出版者
Meeting of Osaka Dermatological Association
雑誌
皮膚 (ISSN:00181390)
巻号頁・発行日
vol.34, no.6, pp.711-715, 1992 (Released:2010-08-25)
参考文献数
15

64歳男性に発症した第二期梅毒の1例を報告した。初診の約5ヵ月前より, 両側上腕に米粒大-半米粒大の紅色丘疹が出現し, その後, 両前腕, 体幹にも同様の皮疹が出現した。掻痒はない。初診時にTPHA81, 920倍, ガラス板法128倍, 緒方法640倍, TPHA-IgM 2倍であったため, 第二期梅毒と診断した。ベンジルペニシリンベンザチン (PCG) 160万単位/日内服投与 (1日4回) を開始したところ, 約3週間で皮疹は消失したが, 5週間経過した後も, TPHA-IgM, TPHA, STSは低下傾向を示さなかった。そこで, プロベネシド1g/日内服を併用したところ, 1週後にはTPHA-IgMは陰性化し, TPHAは20, 480倍, 緒方法は320倍と低下した。