著者
大久保 昭史郎 大里 恭平
出版者
西日本整形・災害外科学会
雑誌
整形外科と災害外科 (ISSN:00371033)
巻号頁・発行日
vol.68, no.1, pp.88-91, 2019-03-25 (Released:2019-05-16)
参考文献数
8

非結核性抗酸菌の肺外病変は比較的まれである.非結核性抗酸菌腱鞘滑膜炎は慢性に経過し炎症反応も正常から軽度上昇するのみでありまた菌体の検出率も低いことから診断および治療に難渋することがある.今回我々は非結核性抗酸菌による化膿性腱鞘滑膜炎を経験した.軽微な外傷後に疼痛,腫脹を訴え,炎症反応に乏しい場合,非結核性抗酸菌感染症を疑う必要がある.治療は外科的滑膜切除と化学療法である.