著者
大野 裕幸 遠藤 涼 中埜 貴元 篠田 昌子
雑誌
2019年度 人工知能学会全国大会(第33回)
巻号頁・発行日
2019-04-08

筆者らは、日本における測量としての地図作成に導入可能な高精度な地物抽出を実現するべく研究に取り組んでいる。セマンティックセグメンテーションによる地物抽出の評価用データセットとしていくつかのデータセットが知られているが、それらは日本国外を対象としたものであるほか、数都市程度のデータセットであり地域多様性が高くはない。そのため、日本での測量としての地図作成における地物抽出性能評価用のデータセットとしてそれらを用いるのは適切でないと考えている。そこで、日本における地図作成で実際に使われている空中写真を対象として、高い地域多様性を持った地物抽出性能評価用データセットを構築することを目的として、1967年以降に日本で空中写真撮影が実施された1328地区から均等に評価範囲を抽出して評価用データセットを構築した。さらに、pix2pix及びU-Netを使用し、道路と建物について我々が構築した評価用データセットと既存の評価用データセットによる評価結果とを比較して考察することで、我々が構築した評価用データセットで十分に信頼できる地物抽出の性能評価を実施することができるとの結論を得た。
著者
中埜 貴元 遠藤 涼 大野 裕幸 岩橋 純子
出版者
公益社団法人 日本地理学会
雑誌
日本地理学会発表要旨集 2019年度日本地理学会秋季学術大会
巻号頁・発行日
pp.51, 2019 (Released:2019-09-24)

河川氾濫による浸水域を夜間に把握するためのセンサの調査と河川水域を対象とした性能試験を実施した.夜間観測に有効なセンサとして超高感度カメラと熱赤外線カメラを選定し,冬季夜間に試験を実施した.その結果,超高感度カメラで水域が判別できるとともに,最適ISO感度は51200〜102400程度であること,熱赤外線カメラではある程度水域が識別できるものの,温度閾値などでの抽出は困難であることなどが分かった.