著者
大門 巧 大西 建輔 青山 浩
雑誌
情報教育シンポジウム論文集
巻号頁・発行日
vol.2021, pp.216-223, 2021-08-21

我々は,DNCL のブラウザ上での実行環境として Tetra を開発したが,高等学校での授業で使用するためには,機能の充実を図ることが必要であった.そこで,Tetra を改良した DNCL のブラウザ上での実行環境である XTetra を開発した.XTetra には,従来の Tetra の機能に加え,コンソールからの標準入力,描画関数,エディタのシンタックスハイライト機能が実装されている.高等学校において,Scratch の使用経験のあるクラスと,使用経験のほとんどないクラスで XTetra を用いた授業を実施し,アンケートを用いて処理系の評価をおこなった.その結果,Scratch の使用経験のあるクラスの理解度が使用経験のないクラスと比較して高くなった.また,XTetra はビジュアルプログラミング言語の要素とテキストベースのプログラミング言語の要素の両方を備えているため,ビジュアルプログラミング言語でのプログラミング経験のある生徒の理解を高める効果が期待できるという仮説が立った.