著者
天田 顕徳
出版者
北海道大学
雑誌
若手研究
巻号頁・発行日
2021-04-01

本研究は、日本におけるロッククライミングの「アクセス問題」に注目する。アクセス問題とは、岩場へのアクセスの権利を巡る岩の管理者や地権者とクライマーの摩擦・対立を指す言葉で、しばしばクライマーが信仰対象や天然記念物の岩を「登攀の対象」と見做すことで問題が起こっている。本研究では特に信仰が関わって起こるアクセス問題を取り上げ、関係者の主張を整理するとともに、信仰の現場でゲレンデ開発が行われた国内外の事例を精査し、両者の交渉と意見の調整過程を明らかにする。本作業を通じて宗教文化・伝統文化の保護と、持続可能なゲレンデ整備や観光開発を両立するための基礎資料を提示することが本研究の目的である。