著者
天竺桂 弘子 佐藤 令一
出版者
東京農工大学
雑誌
挑戦的研究(開拓)
巻号頁・発行日
2020-07-30

宿主体内への侵入は、多胚性寄生蜂において寄生成功の必須要件である。この侵入において、多胚性寄生蜂の桑実胚は宿主組織内に損傷を与えることなく侵入し、むしろ宿主は桑実胚を積極的に迎え入れる。このような組織親和的侵入は、一般的に動物界で広く知られる遠縁種間の急性型移植拒絶反応を回避するユニークな現象で、その仕組みとして分子擬態が示唆されてきた。本研究では申請者らがこれまでに多胚性寄生蜂の胚発生期の遺伝子発現解析で得られた情報を基に、組織親和的侵入の仕組みを解明することを目的とする。