著者
黒田 公美 天野 大樹 吉原 千尋 時田 賢一
出版者
国立研究開発法人理化学研究所
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2014-04-01

未交尾オスマウスは子マウスに対して攻撃的であるが、メスとの交尾・同居を経験し父親になると、自分の子ばかりか他人の子まで養育する。この「父性の目覚め」において、攻撃には前脳分界条床核の一部分BSTrhが、養育には内側視索前野中央部cMPOAが重要であることを見出した。BSTrhの機能を阻害すると子への攻撃が弱まり、cMPOAの機能を阻害すると子を養育できなくなった。また光遺伝学的手法でcMPOAを活性化すると、子への攻撃が減る。さらにオスマウスが子を攻撃するか、養育するかは、cMPOAとBSTrhの2つの脳部位の活性化状態を測定するだけで、95%以上の確率で推定できることがわかった。