- 著者
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成林 晃
南里 豪志
天野 浩文
- 雑誌
- 研究報告ハイパフォーマンスコンピューティング(HPC) (ISSN:21888841)
- 巻号頁・発行日
- vol.2016-HPC-155, no.34, pp.1-9, 2016-08-01
近年,大規模化する並列計算機において,集団通信による通信時間の影響を減らす手法として,非ブロッキング集団通信による通信時間を計算時間で隠蔽する高速化手法が注目されている.非ブロッキング集団通信において,計算と並行して通信を進めるための実装の一つに,スレッドを用いる手法がある.これは progress thread と呼ばれる,通信専用のスレッドを利用するものであり,この手法は他の実装に比べ,利用が容易で,かつ通信を隠蔽しやすいという特徴がある.現在,この手法による非ブロッキング集団通信の実装を選択できる MPI ライブラリはいくつかあるものの,通信隠蔽の効果が十分検証されておらず,実用性が不明である.そこで本稿では,それらの実装による通信時間隠蔽の効果を調査した.実験の結果,メッセージサイズが小さいと progress thread を利用することによるオーバヘッドによりかえって遅くなる場合がある,等の傾向を確認できた.