- 著者
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太田 清久
AMIN Nurul Md
AMIN Nurul Md.
- 出版者
- 三重大学
- 雑誌
- 特別研究員奨励費
- 巻号頁・発行日
- 2004
現在、バングラディッシュなどの一部の地域で問題となっている砒素中毒症は、主に地下水の砒素汚染に原因がある。したがって、バングラディッシュで主に燃料として利用されており、廃棄物である稲、籾殻、使用済みの茶葉、ココナッツの殻などを細かく粉砕してカラムに充填し、3価と5価のヒ素の吸着除去を試みた。ヒ素汚染水の浄化は、これまで様々な手法が試みられてきたが、簡便で実際にバングラディッシュの実用にあった手法はほとんどなく、現在も汚染した地下水を飲料用として飲み続けている状況である。本手法は、バングラディッシュで手に入れることができる廃棄物を利用して吸着除去を試みた。その結果、稲がヒ素除去を行うために有効なろ過材であることを見出した。現在、3価のヒ素の除去は比較的難しいため、5価に酸化してから除去処理を行っているが、本吸着除去では、3価のヒ素も5価と同様に吸着除去できることが分かった。さらに、それらに熱的処理を施すことにより、活性炭のような炭化処理を行い、除去効率の向上を図った。最終的には、吸着力の非常に高い浄化材として熱処理した籾殻が、バングラディッシュなどで問題となっているヒ素汚染された地下水の浄化に有効であることが分かった。酸化剤などを用いた処理を行うことなく、直接浄化処理を行って、ヒ素を取り除く手法を開発することができたため、砒素中毒症の改善が期待される。