著者
高橋 正幸 木村 和哲 奈路田 拓史 松下 和弘 宮本 忠幸 川西 泰夫 沼田 明 湯浅 誠 田村 雅人 香川 征
出版者
社団法人日本泌尿器科学会
雑誌
日本泌尿器科學會雜誌 (ISSN:00215287)
巻号頁・発行日
vol.86, no.10, pp.1563-1568, 1995-10-20
被引用文献数
1

(背景と目的) 夜間陰茎勃起現象の記録は勃起機能検査法として早くから行われてきた検査であるが, 現在でもその.重要惟、は変っていない.特に器質性インポテンスと心因性インポテンスの鑑別には必須の検査であり, 陰茎周径を測定するため活性炭や水銀を用いたストレインゲージが使用されてきた. (対象と方法) われわれは今回, 水銀ストレインゲージにかわるインジウムとガリウムの合金製のストレインゲージを使用した新しい装置を開発しこのストレインゲージを用いた新しい夜間陰茎勃起現象記録システムが臨床に使用可能かどうかを正常ボランティアを対象に検討した. (結果) インジウム-ガリウムストレインゲージは, 伸展-抵抗の特性が直線的でしかも再現性が高く夜間陰茎勃起現象の記録に充分な性能を有していた.測定データの保存, グラフ化のためのソフトウェアは簡潔で, しかもすべて日本語表示であるため操作が容易である.またこの新しいストレインゲージはディスポーザブルなのでメインテナンスが不要であり, 清潔である. (結論) 本システムは夜間陰茎勃起現象の記録の目的で臨床使用が可能であると考えられる.
著者
笠井 利則 奈路田 拓史 上間 健造 稲次 圭 長江 浩朗 藤井 義幸
出版者
徳島赤十字病院
雑誌
徳島赤十字病院医学雑誌 = Tokushima Red Cross Hospital Medical Journal (ISSN:13469878)
巻号頁・発行日
vol.13, no.1, pp.100-104, 2008-03-01

患者は59歳,男性.1992年12月より糖尿病性腎症による慢性腎不全にて血液透析を導入.その後,糖尿病性網膜症(右眼失明)・二次性副甲状腺機能亢進症(PTx)・陰嚢部フルニエ壊疽(植皮)・左下肢潰瘍(左下肢切断)を併発.2006年7月,右第1趾の難治性潰瘍・化膿性骨髄炎に対して,右下肢切断術を行う目的で近医に入院.術前検査で重症冠動脈病変を認め,当院循環器科に紹介され,冠動脈バイパス手術(心拍動下2枝)が施行された.約1カ月後,陰茎包皮の壊死・陰茎根部の疼痛が出現し,陰茎壊死との診断で陰茎全切除術を施行した.術後,疼痛は消失したが創開を生じ,洗浄処置を行った.術後3カ月経過し,陰部~両側大腿内側部の壊死性軟部組織感染症(バクテロイデスによるガス壊疽)を併発し,デブリードマンを施行したが永眠された.