著者
奥村 ミサヲ 宮崎 幸恵
出版者
東海学園女子短期大学
雑誌
東海学園女子短期大学紀要 (ISSN:02858428)
巻号頁・発行日
no.19, pp.p13-20, 1984-07

幼若ラットを用いてタンパク質含量の異なる3種の飼料を投与し4週間飼育した。その体重変化, 尿量, 肝臓および腎臓の重量, 尿中タンパク質量, 尿中尿素窒素量, 血清中タンパク質および尿素窒素量を測定した結果, 以下のことが判明した。1.成長は, 高タンパク質飼料投与群は標準タンパク質飼料投与群よりわるく, 低タンパク質飼料投与群では著しく下まわった。2.尿量は, 高タンパク質飼料投与群, 標準タンパク質飼料投与群, 低タンパク質飼料投与群の順に多く, とくに高タンパク質飼料投与群では体重に比して著しく多かった。3.肝臓の重量は3群間に有意な差が認められなかったが, 腎臓では3群間で有意な差が認められ高タンパク質投与による腎肥大が伺えた。4.尿中タンパク質量と尿素窒素量は平行し, 高タンパク質飼料投与群>漂準タンパク質飼料投与群>低タンパク質飼料投与群の順に多かった。この傾向は尿量の変化と一致した。5.血清中タンパク質量および尿素窒素量は, 低タンパク質飼料投与群と他の2群間で有意な差が認められたが, 標準タンパク質飼料投与群と高タンパク質飼料投与群では有意な差が認められなかった。