著者
平野 廣和 奥村 哲夫 丸岡 晃 奥村 哲夫 丸岡 晃
出版者
中央大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2007

2003年9月に北海道で発生した平成15年十勝沖地震で浮屋根等を有する特定屋外貯蔵タンクにおいてスロッシング現象が生じ,浮屋根の破壊,沈没,火災発生といった事故が発生した.これを受けて,液面のスロッシングに伴う浮屋根の挙動の力学的特性についての検証が始まり,実規模レベルでのタンクによる検証を行うことが求められている.そこで,本研究では実際に使用されている実機浮屋根式タンクを用いて,ここにスロッシング現象を発生させる一つの実験方法を提案するものである.タンク内部に造波装置を設置し,エアシリンダーで造波装置をスロッシングの固有周波数に合わせて作動させることによりタンク内部の流体全体を動かし,これにより浮屋根にスロッシング現象を発生させることを試みるものである.この結果,実機タンクの浮屋根にスロッシング現象を発生させ,かつ妥当な減衰を得ることができた.