著者
梅原 康湖 辻 直子 冨田 崇文 谷池 聡子 川崎 正憲 奥村 直己 高場 雄久 松本 望 河野 匡 丸山 泰典 尾崎 信人 工藤 正俊
出版者
一般社団法人 日本消化器内視鏡学会
雑誌
日本消化器内視鏡学会雑誌 (ISSN:03871207)
巻号頁・発行日
vol.57, no.3, pp.207-215, 2015 (Released:2015-03-31)
参考文献数
28
被引用文献数
1

【目的】外来大腸内視鏡検査におけるプロポフォールを用いた意識下鎮静法の安全性・有用性と患者満足度について検討する.【方法】外来大腸内視鏡検査を受けた80歳未満,ASA2以下の患者661人を,鎮静剤希望者と非希望者にわけた.鎮静剤希望者はプロポフォール単独群とミタゾラム+ペンタゾシン群に無作為に振り分けた.プロポフォール単独群241例ミタゾラム+ペンタゾシン群236例非鎮静群184例について呼吸循環器系への影響,回復時間,患者満足度,帰宅後の問題点について検討した.【結果】プロポフォール単独群で血圧の低下,ミタゾラム+ペンタゾシン群で心拍数,酸素飽和度の低下を有意に認めたが,一過性で重大な合併症はなかった.プロポフォール単独群の回復時間は短く,高い患者満足度が得られ,帰宅後の問題点も少なかった.【結論】外来大腸内視鏡検査の意識下鎮静法ではプロポフォールが第一選択と考えられた.