著者
三宅 明子 奥村 達也 岡本 亨
出版者
日本皮膚科学会大阪地方会・日本皮膚科学会京滋地方会
雑誌
皮膚の科学 (ISSN:13471813)
巻号頁・発行日
vol.7, no.4, pp.421-427, 2008 (Released:2010-12-06)
参考文献数
19

トラネキサム酸とアスコルビン酸リン酸ナトリウムは色素斑の治療薬としてよく知られている。これらの薬物は作用メカニズムが異なることから,併用によってより高い有効性が期待される。そこでこれら薬物の連続イオントフォレーシス(イオン導入)を試みた。トラネキサム酸はプラス極から,アスコルビン酸リン酸ナトリウムはマイナス極からのイオン導入が有効であったため,導入順序の検討を行ったところアスコルビン酸リン酸ナトリウムの導入の後にトラネキサム酸のイオン導入を行うとアスコルビン酸リン酸ナトリウムの皮内濃度は著しく低下したが,逆の順序では皮内濃度に大きな影響を及ぼさなかった。連続でイオン導入する際,皮膚に導入された薬物は次にかかる電場により様々な影響を受けることがわかった。