著者
奥津 敬一郎
出版者
神田外語大学
雑誌
言語科学研究 : 神田外語大学大学院紀要 (ISSN:13476203)
巻号頁・発行日
vol.1, pp.37-48, 1995-03

「冷たい雨が降る」「雨が冷たく降る」において,前者の「冷たい」は連体成分,後者の「冷たく」は連用成分であるが,両者は同義的である。このような関係を連体・連用の対応と呼ぶ。この対応には一定の条件があり,そのひとつが「雨が降る」のような自然現象を表す機能動詞文である。この前編ではまず自然現象文とは何かをいささか詳しく考察し,後編において連体・連用の対応を論ずる。