著者
畑井 朝子 奥瀬 一郎 嵯峨 紘一 長岡 泰良
出版者
一般社団法人日本調理科学会
雑誌
調理科学 (ISSN:09105360)
巻号頁・発行日
vol.27, no.4, pp.248-252, 1994-11-20
被引用文献数
2

北海道十勝管内の褐色火山性土、黒色火山性土、沖積土、泥炭土の4種類の土壌産エリモショウズ品種について生産地土壌の種類が小豆子実の粗脂肪含量、糖含量、澱粉含量、蛋白質含量に及ぼす影響について検討を加え、次のような結果を得た。1)粗脂肪含量は褐色火山性土産と黒色火山性土産が高く、沖積土産が低い傾向がみられた。2)糖の安定試験の結果、グルコース、フラクトース、スクロース、ゲンチオビオース、ラフィノース、スタキオース、ベルバスコースが検出された。全糖含量は黒色火山性土産と泥炭土産が低かったが、沖積土産は褐色火山性土産と差がなかった。3)澱粉含量は沖積土産が最も高かったが、その他の土壌産には差がなかった。4)80%エタノール可溶性窒素含量は全窒素含量の1%以下であった。蛋白質含量は沖積土産がその他の土壌産よりも低い傾向がみられた。5)以上の結果、小豆生産地土壌の種類は子実の粗脂肪含量、糖含量、蛋白質含量に影響をあたえ、沖積土産は低粗脂肪、低蛋白質含量、高糖・高澱粉含量に、泥炭土産と黒色火山性土産は低糖含量に、それぞれ特徴づけられると結論した。