著者
奥田 透也 末松 伸朗 林 朗
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. PRMU, パターン認識・メディア理解 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.107, no.539, pp.17-22, 2008-03-03

本稿では四分木表現を利用したグラフカットに基づく画像分割法を提案する.画像分割をグラフカット問題として表し,グラフカットの多項式時間アルゴリズムを利用して画像分割を行う方法が近年注目されている.しかし,その方法では画像の各画素をグラフの頂点とするため,高解像度の画像を分割するためには多くの計算コストがかかる.そこで本稿では四分木表現で表された各画像領域を頂点とすることでグラフの規模を縮小し,計算コストの低減を行う.また,提案手法はある程度広がりを持つ画像領域の情報に基づくグラフカットであるため,1画素を頂点とする手法よりも高い精度を達成できる.また本稿では,提案手法の精度および速度の面における有効性を実画像を用いた実験により示す.