- 著者
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奥野 瑛
三上 俊成
武田 泰典
田中 光郎
- 出版者
- 岩手医科大学歯学会
- 雑誌
- 岩手医科大学歯学雑誌 (ISSN:03851311)
- 巻号頁・発行日
- vol.38, no.3, pp.117-123, 2014
患児は6歳7か月の男児で, X線所見で上顎正中部に逆生の埋伏過剰歯を発見され近歯科医院より紹介来院し,当科にて上顎正中埋伏過剰歯の抜去を行った.同患者は, 2年半後,近医において,上顎右側中切歯と上顎右側側切歯の萌出遅延と診断されたため,その治療目的で,本院に再度受診した.側切歯は犬歯の圧迫により高度に歯根吸収を生じていた.そのため,中切歯をリンガルアーチならびにマルチブラケット装置による牽引を試みたが,中切歯の移動は認められなかった.その後, 2回中切歯の亜脱臼と外科的処置を併用し,牽引を続行したが,中切歯の挺出はみとめられず,抜歯に至った.抜去歯には遠心舌側歯頸部に陥凹が認められるとともに,病理組織所見では骨置換性の根吸収が生じていた.