著者
小林 裕志 姥浦 敏一
出版者
社団法人 農業農村工学会
雑誌
農業土木学会誌 (ISSN:03695123)
巻号頁・発行日
vol.56, no.6, pp.587-593,a2, 1988-06-01 (Released:2011-08-11)
参考文献数
12

草地造成技術のうち, 不耕起法はわが国独自の展開が遅れている分野である。本報では, 不耕起法の本質が原植生から牧草植生への転換を生態学的手法で行うことにあることを論述している。これには, 蹄耕法あるいは火入れ直播法などとは異質な, わが独自の方法-機械力利用-の確立が必要である。本報ではその先覚的事例を紹介する。また, わが国の各地において, 劣悪な自然条件のために放置されてきた未利用特殊地帯における草地造成の実際例として, コーラル地帯, シラス地帯, カルスト地帯, 有害土壌地帯, 泥炭地帯の実績を紹介する。