著者
小林 裕志 姥浦 敏一
出版者
社団法人 農業農村工学会
雑誌
農業土木学会誌 (ISSN:03695123)
巻号頁・発行日
vol.56, no.6, pp.587-593,a2, 1988-06-01 (Released:2011-08-11)
参考文献数
12

草地造成技術のうち, 不耕起法はわが国独自の展開が遅れている分野である。本報では, 不耕起法の本質が原植生から牧草植生への転換を生態学的手法で行うことにあることを論述している。これには, 蹄耕法あるいは火入れ直播法などとは異質な, わが独自の方法-機械力利用-の確立が必要である。本報ではその先覚的事例を紹介する。また, わが国の各地において, 劣悪な自然条件のために放置されてきた未利用特殊地帯における草地造成の実際例として, コーラル地帯, シラス地帯, カルスト地帯, 有害土壌地帯, 泥炭地帯の実績を紹介する。
著者
岡崎 正規 山根 一郎 佐藤 幸一 小林 裕志
出版者
日本草地学会
雑誌
日本草地学会誌 (ISSN:04475933)
巻号頁・発行日
vol.29, no.3, pp.219-225, 1983

青森県十和田湖の北東部の火山灰地帯の山間部において,草地基盤を造成した。切盛土工は,急傾斜の局部だけをえらび,盛土の縁端部には転圧工法を適用して崩壊防止策を講じた。その切土部,盛土部の両方に牧草を生育させねぼならない。まず盛土部において種々の方法によって牧草栽培の試験を行った。盛土部には,この地域の土壌の下層土で,しかも不良土であるアオバンとアカツチとがほぼ1:2の割合で混合されていたが,適切な施肥を行えば良好な牧草地を確立することができた。すなわち,10aあたりイタリアンライグラス,オーチャードグラスをそれぞれ2kg,ラジノクローバー1kgを用い,元肥には苦土石灰100〜150kg,P_2O_530kg,NとK_2Oを5kg施用したのち雨天日の多い晩夏8月中下旬に播種する。そして翌春早く,N,P_2O_5,K_2Oをそれぞれ5kgづつ追肥に用いればよいと思われる。
著者
小林 裕志
出版者
社団法人 農業農村工学会
雑誌
農業土木学会誌 (ISSN:03695123)
巻号頁・発行日
vol.68, no.5, pp.439-441,a1, 2000-05-01 (Released:2011-08-11)

農業工学系分野のグローバル化に呼応し, 全国の大学で再編整備がすすんでいる。「生命科学の府」を標榜する北里大学において農業工学系分野の教育研究組織の設置はどのような意義があるのか。この命題をグローバル化の潮流とあわせながら検討して1999年に発足した「生物生産環境学科」の建学方針などについて論述する