著者
宇井 修 中山 実 清水 康敬
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. D-II, 情報・システム, II-情報処理 (ISSN:09151923)
巻号頁・発行日
vol.80, no.4, pp.892-899, 1997-04-25
被引用文献数
32

通信衛星による講義形態が異なる二つの遠隔通信講座を, 同一の評価項目で評価し, 講義形態が学習者の評価に与える影響を分析検討した. 二つの講義形態とは, アナログ・フル映像方式による全国配信と1.5Mbit/sのディジタル準動画像方式による双方向通信である. 総合的な評価の結果では両者とも良い結果を得たが, 両者を比較すると, アナログ・フル映像方式による全国配信の方が高い評価が得られた. また, 評価項目を因子分析した結果, 「画質」「臨場感」「質疑応答」「時間配分」「内容」「音声」の6因子が抽出された. 「画質」についてはアナログ・フル映像による全国配信の方が, 「質疑応答」や「音声」ではディジタル準動画方式による双方向通信の方が有意に高い結果であった. また, 総合的評価を各因子で説明する重回帰分析を行った結果, 「画質」や「臨場感」が強く影響を与えており, その結果が総合評価に影響を与えたことが明らかになった.