著者
清原 一暁 中山 実 木村 博茂 清水 英夫 清水 康敬
出版者
日本教育工学会
雑誌
日本教育工学雑誌 (ISSN:03855236)
巻号頁・発行日
vol.27, no.2, pp.117-126, 2003
参考文献数
11
被引用文献数
9

本研究では,印刷物による提示とコンピュータ画面の提示による文章理解の違いを調べ,わかりやすい文章提示の方法を検討した.文章の理解度を内容に関するテスト成績で調べた.その結果,表示メディアについては,提示方法によらず印刷物がディスプレイに比べて良いことが分かった.また,LCDがCRTよりも理解度において優れていることが分かった.さらに,すべての表示メディアにおいて,明朝体と比べてゴシック体の方が文章理解において成績が良い事を明らかにした.
著者
野崎 浩成 清水 康敬
出版者
日本教育工学会
雑誌
日本教育工学雑誌 (ISSN:03855236)
巻号頁・発行日
vol.24, no.2, pp.121-132, 2000-09-20
被引用文献数
2

近年,新聞を活用した教育(NIE)が注目されており,新聞記事を学習教材として利用する機会が多くなった.しかし,新聞は成人読者を主な対象としており,日本人小中学生や外国人留学生にとっては,新聞に掲載されているすべての漢字を理解できるとは言い難い.そこで,本研究では,新聞記事1ヶ年分を対象に漢字の頻度特性を分析し,新聞を読むためには,どのような漢字を学習すべきなのかを検討した.その結果,(1)新聞紙面上での漢字の占める割合は,41.46%であり,平仮名で34.06%,片仮名で6.34%など,他の文字種と比べて,漢字の使用率が著しく高かったこと,(2)基本漢字500字および学年別漢字配当表を習得すれば,それぞれ70.41%, 89.84%の割合で,新聞に出現する漢字をカバーできること,(3)新聞での使用頻度が高い漢字であっても,学年別漢字配当表には掲載されていない漢字が数多く存在すること,などが示された.以上の結果から,本研究では,NIEのための漢字学習表を開発し,新聞を教材として利用する際に,学習者に教授すべき漢字は何かを明らかにした.
著者
清水 康敬
出版者
日本教育工学会
雑誌
日本教育工学雑誌 (ISSN:03855236)
巻号頁・発行日
vol.22, no.suppl, pp.13-16, 1998-08-20 (Released:2017-10-20)
参考文献数
5

初等中等教育における情報教育が, 新しい展開を迎えることになった.特に, 高等学校において, 新しい教科「情報」が設けられることになったことが大きい.また, 中学校における「情報基礎」が必修となり, 新たに発展的な選択領域が設けられる.そして, 小学校では, 新たに設けられる「総合的な学習の時間」等において, コンピュータやインターネット等の情報手段に慣れ親しむことから, 始められる.具体的な教育内容については, 教育課程審議会で検討されるが, 新しいカリキュラムは西暦2002年から実施される見込みである.そこで, ここでは, 従来の情報教育との比較から, 今後の情報教育の展開について述べる.
著者
柏原 考爾 室田 真男 清水 康敬
出版者
日本生理人類学会
雑誌
日本生理人類学会誌 (ISSN:13423215)
巻号頁・発行日
vol.4, no.4, pp.173-180, 1999-11-25 (Released:2017-07-28)
参考文献数
15
被引用文献数
2

The relationship between the strength (or duration) of physical exercise and a measure of mathematical ability (the calculating score) was examined. verified that the calculating score in the case of exercise (80W, 10minutes) was higher than that in the case of no exercise. It was found that the calculating score went up when the strength of physical exercise was modest (physical exercise of 5, 10 and 15 minutes), but the score went down when the strength was excessive. Next the relationship between the duration of physical exercise and the calculating score was investigated. It was shown that the strength of five minutes of exercise, where the calculating score became highest, was stronger than that of ten or fifteen minutes of exercise. The relationship between the heart rate and the calculating score was also shown.
著者
山本 朋弘 池田 幸彦 清水 康敬
出版者
日本教育工学会
雑誌
日本教育工学雑誌 (ISSN:03855236)
巻号頁・発行日
vol.27, pp.153-156, 2004-03-05
参考文献数
2
被引用文献数
2

体育の「跳び箱運動」で,教師がどの程度実技を提示できるかを調査し,高学年の種目において,動画コンテンツの有用性について検討した.また,動画コンテンツを活用した授業実践を進め,子どもの意識調査や習熟状況を分析し,動画コンテンツを活用した場合の学習効果について検討し,自ら課題を明確にさせる上で学習効果があることを明らかにした.また,動画コンテンツを用いた学習は早い段階でさせた方がいいことを示した.
著者
清水 康敬 田中 正文 渡辺 隆彌
出版者
一般社団法人 日本音響学会
雑誌
日本音響学会誌 (ISSN:03694232)
巻号頁・発行日
vol.43, no.12, pp.921-928, 1987
被引用文献数
4

水晶基板を伝搬する漏洩弾性表面波は温度特性が格段に優れているので注目されている。そこで、本論文ではオイラー角を変化させて、任意のカット、伝搬方向に対する漏洩弾性表面波の位相速度、電気機械結合係数、遅延時間温度係数、伝搬損失、及びパワーフロー角のすべてを計算した。そしてまず代表的なカットに対する諸特性を述べ、その中から伝搬速度が約5、000m/sという非常に速い基板の特性を理論的、実験的に示した。これは高周波用狭帯域形デバイスに極めて有利である。次に全カットに対する漏洩弾性表面波の諸特性を等値線マップの形で表現した。更に漏洩表面波を用いる場合の新基板選定に関する考察を述べた。
著者
清水 康敬
出版者
日本教育工学会
雑誌
日本教育工学雑誌 (ISSN:03855236)
巻号頁・発行日
vol.21, pp.1-4, 1997-08-20
被引用文献数
3

論文の文章表現について調べ, 新聞記事における文章表現と比較した.そして, 1文あたりの文字数と最大文字数, 文節数, 文節あたりの文字数などを示した.また, 論文と新聞記事の文字数を比較した結果, 1%水準で学会誌の論文が有意に長文であることを示した.文字数と文節数との相関係数を求め, 文章の特徴を調べた.さらに, 長文となる理由について考察した.
著者
野崎 浩成 横山 詔一 清水 康敬
出版者
日本教育工学会
雑誌
日本教育工学雑誌 (ISSN:03855236)
巻号頁・発行日
vol.25, pp.59-62, 2001-08-20

本研究では, 2字熟語に使用される漢字の頻度特性を分析した.その結果, 「牲」は, 漢字2字熟語の第2文字目でのみ使用されること, その用例はすべて「犠牲」であったこと, 同様な特性を持つ漢字は, 「娠」, 「剖」, 「騨」, 「惧」, 「綻」であったこと, が示された.すなわち, ある特定の熟語にしか使用されない特別な漢字が存在することが明らかになった.このような結果を考慮して教材作成を行えば, 有用な日本語教材が得られると考える.
著者
中山 実 清水 康敬
出版者
一般社団法人日本音響学会
雑誌
日本音響学会誌 (ISSN:03694232)
巻号頁・発行日
vol.45, no.5, pp.368-373, 1989-05-01
被引用文献数
11

平仮名文の提示パターンをテレビ画面に提示し、無音、BGM音、テレビのCM音、雑音の4種類の音環境下で被験者に音読させ、学習能率としての音読速度と学習意欲の指標としての瞳孔面積を測定した。その結果、音読速度、瞳孔面積とも無音の音環境下で最も大きな値を示した。ナレーションを含むテレビのCM音は音読速度を最も低下させ、不快に感じる雑音は瞳孔面積を最も小さくした。更に被験者のそれぞれの音環境に対する特性を調べて音読速度との相関関係や音圧レベルとの関係も調べた。
著者
宇井 修 中山 実 清水 康敬
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. D-II, 情報・システム, II-情報処理 (ISSN:09151923)
巻号頁・発行日
vol.80, no.4, pp.892-899, 1997-04-25
被引用文献数
32

通信衛星による講義形態が異なる二つの遠隔通信講座を, 同一の評価項目で評価し, 講義形態が学習者の評価に与える影響を分析検討した. 二つの講義形態とは, アナログ・フル映像方式による全国配信と1.5Mbit/sのディジタル準動画像方式による双方向通信である. 総合的な評価の結果では両者とも良い結果を得たが, 両者を比較すると, アナログ・フル映像方式による全国配信の方が高い評価が得られた. また, 評価項目を因子分析した結果, 「画質」「臨場感」「質疑応答」「時間配分」「内容」「音声」の6因子が抽出された. 「画質」についてはアナログ・フル映像による全国配信の方が, 「質疑応答」や「音声」ではディジタル準動画方式による双方向通信の方が有意に高い結果であった. また, 総合的評価を各因子で説明する重回帰分析を行った結果, 「画質」や「臨場感」が強く影響を与えており, その結果が総合評価に影響を与えたことが明らかになった.
著者
清水 康敬 山本 朋弘 堀田 龍也 小泉 力一 横山 隆光
出版者
日本教育工学会
雑誌
日本教育工学会論文誌 (ISSN:13498290)
巻号頁・発行日
vol.32, no.3, pp.293-303, 2008
参考文献数
4
被引用文献数
13

授業でのICT活用による学力向上を実証するために,全国の教員に依頼して,ICTを活用した授業と活用しない授業を実施した結果を報告してもらい,それらを総合的に分析評価した.まず,授業を実施した教員が決めた評価の観点に基づいて分析し,ICTを活用した授業を実施した教員は,ICT活用によって児童生徒の学力が向上すると実感していることを示した.また,授業後に,児童生徒の意識調査に関するアンケートを実施してもらい,因子分析を用いて因子を抽出し,因子ごとにICT活用の有無による差を調べたところ,授業にICTを活用した場合の方がいずれの因子においても有意に高い効果が得られることを示した.さらに,授業後に実施した児童生徒に対する同一の客観テストの結果を総合的に分析評価し,ICTを活用した授業の方が,活用しない授業よりテストの成績が有意に高いことを示した.
著者
永塚 守 清水 康敬
出版者
The Institute of Electronics, Information and Communication Engineers
雑誌
電子情報通信学会論文誌 A (ISSN:09135707)
巻号頁・発行日
vol.J76-A, no.9, pp.1351-1358, 1993-09-25

本研究では,生体情報による教育用の映像ソフトウェアなどの客観的評価を行うことを目指し,CRTを使って視覚刺激を提示しながら瞳孔面積と脳波を同時に測定して,それらの変化を調べた.この同時測定を行うために,まず,CRTから脳波測定へのノイズの混入を防ぐ目的で,室外のCRTから被験者に刺激提示できるよう,光透過性のあるシールドガラスを使った特殊なシールドルームを設計し,その効果を確認した.また,瞳孔面積測定装置を装着することによる脳波測定への影響を明らかにした.次に,被験者に対して,平均輝度を一定に調整した意味のある静止画パターンを提示しながら瞳孔面積と脳波の同時測定を行ったところ,頭頂部の脳波の9.0-11.0Hzの帯域パワーと瞳孔面積の間に負の相関関係が見られた.また,被験者の興味が強いパターン提示時のデータは,瞳孔面積が大きく,帯域パワーが小さい位置に集中することがわかった.以上から,同時測定を行うことで,提示パターンの内容の違いを,より的確に区別できる可能性を示した.
著者
清水 康敬 山本 朋弘 堀田 龍也 小泉 力一 横山 隆光
出版者
日本教育工学会
雑誌
日本教育工学会論文誌 (ISSN:13498290)
巻号頁・発行日
vol.32, no.3, pp.293-303, 2008-12-20 (Released:2016-08-05)
参考文献数
4
被引用文献数
6

授業でのICT活用による学力向上を実証するために,全国の教員に依頼して,ICTを活用した授業と活用しない授業を実施した結果を報告してもらい,それらを総合的に分析評価した.まず,授業を実施した教員が決めた評価の観点に基づいて分析し,ICTを活用した授業を実施した教員は,ICT活用によって児童生徒の学力が向上すると実感していることを示した.また,授業後に,児童生徒の意識調査に関するアンケートを実施してもらい,因子分析を用いて因子を抽出し,因子ごとにICT活用の有無による差を調べたところ,授業にICTを活用した場合の方がいずれの因子においても有意に高い効果が得られることを示した.さらに,授業後に実施した児童生徒に対する同一の客観テストの結果を総合的に分析評価し,ICTを活用した授業の方が,活用しない授業よりテストの成績が有意に高いことを示した.
著者
清原 一暁 中山 実 木村 博茂 清水 英夫 清水 康敬
出版者
日本教育工学会
雑誌
日本教育工学雑誌 (ISSN:03855236)
巻号頁・発行日
vol.27, no.2, pp.117-126, 2003-09-20 (Released:2017-10-20)
参考文献数
11
被引用文献数
6

本研究では,印刷物による提示とコンピュータ画面の提示による文章理解の違いを調べ,わかりやすい文章提示の方法を検討した.文章の理解度を内容に関するテスト成績で調べた.その結果,表示メディアについては,提示方法によらず印刷物がディスプレイに比べて良いことが分かった.また,LCDがCRTよりも理解度において優れていることが分かった.さらに,すべての表示メディアにおいて,明朝体と比べてゴシック体の方が文章理解において成績が良い事を明らかにした.
著者
中山 実 山崎 信雄 山本 徹 恵藤 健二 加藤 真一 清水 康敬
出版者
日本教育工学会
雑誌
日本教育工学会論文誌 (ISSN:13498290)
巻号頁・発行日
vol.29, no.Suppl, pp.221-224, 2006-03-20 (Released:2016-08-02)
参考文献数
3

実習を必要とする学習をe-Learningで行う可能性を検討するために,講義実習一体型のe-Learning教材を開発し,従来型の[講義+実習]の場合と比較した.また,非同時性学習による効果も検討した.その結果,主観評価では従来型が高かったが,学習成績では有意差がなく,利用可能性が示された.
著者
稲見 和典 中山 実 西方 敦博 清水 康敬
出版者
日本教育工学会
雑誌
日本教育工学雑誌 (ISSN:03855236)
巻号頁・発行日
vol.21, no.2, pp.107-117, 1997-09-20 (Released:2017-10-20)
参考文献数
7

英単語学習において,英和辞典としてCD-ROM辞書を利用した場合と,印刷英和辞書を用いた場合の学習成績を比較した.その結果,制限時間内に辞書による単語検索回数を自由とした場合の,日本語の意味の記憶試験では1%,英語のスペル試験では5%水準の有意差で,CD-ROM辞書使用時の正答率が高いとの結論を得た.また,制限時間を設けずに辞書の利用回数を各英単語につき1回に制限した場合には,学習成績に差はなく,CD-ROM辞書を用いた方が,1単語ごとの記憶時間が長いことがわかった.次に,アンケートによる主観評価について因子分析を行い,「おぼえやすさ」,「学習のしやすさ」,「操作性」,「持続性」,「見やすさ」の5因子を抽出した.これらの因子評価点と学習成績との関係を調べたところ,「おぼえやすさ」と成績の間に相関関係があることがわかった.
著者
山本 洋雄 中川 英世 中山 実 清水 康敬
出版者
日本教育工学会
雑誌
日本教育工学雑誌 (ISSN:03855236)
巻号頁・発行日
vol.22, no.2, pp.109-118, 1998-09-20 (Released:2017-10-20)
参考文献数
13

入社前に身につけた能力や新人教育での成績,講師からみた性格など,入社時の個人データと,10年後の給与査定(企業内評価に相当)との関連を検討した.入社時試験の「専門」や「数学」「英語」と,新人教育での「情報基礎」が,10年後の給与査定との間で関連が認められ,順位相関係数が5%水準で有意であった.また,給与査定など人間に関する評価は多面的に行われているとの観点から,重回帰分析と,数量化II類による重判別分析を行った.そして,入社時の個人データによって10年後の給与査定を判別した結果,正判別率66.3%の高い値が得られた.判別に関係する項目としては,入社時試験の「専門」と性格の「努力」,「几帳面」,および新人教育での「情報基礎」などであった.入社前に身につけた「専門」知識や,新人教育での「情報基礎」といった,基礎的・基本的な知識が入社10年後にも関連のあることがわかった.
著者
矢川 園子 中山 実 清水 康敬
出版者
日本教育工学会
雑誌
日本教育工学雑誌 (ISSN:03855236)
巻号頁・発行日
vol.24, pp.213-216, 2000
参考文献数
6
被引用文献数
2

本研究では, さまざまな音環境において文章を読ませたときの音読速度について, 音読者の音楽的習慣との関係から検討した.音環境として, 無音, ホワイトノイズ, 日本語の歌詞つきの歌謡曲, クラシック音楽の4条件を設定し, それらの条件下での音読速度を比較した.また, クラシック音楽のテンポを変化させた時の影響も調べた.さらに, 音楽的習慣に関する質問紙の回答結果を因子分析し, "音楽の理解", "日常的音楽習慣", "音楽好き"の3因子を得た.各因子成績と音読速度の関係を調べ, 音楽的習慣による影響を明らかにした.