著者
宇田 剛 上山 敏
出版者
大妻女子大学人間生活文化研究所
雑誌
人間生活文化研究 (ISSN:21871930)
巻号頁・発行日
vol.2020, no.30, pp.656-673, 2020-01-01 (Released:2020-10-28)
参考文献数
10

公立高等学校の入学者選抜においては,中学生が学習指導要領に基づき,中学校生活3年間で身に付けた学力を検査する必要がある. 現行の中学校学習指導要領(平成20年3月告示)の外国語(英語)及び新学習指導要領(平成29年3月告示)においては,「聞くこと」「読むこと」「話すこと」「書くこと」という,いわゆる4技能を通して,コミュニケーションを図る資質・能力を育成することが目標として掲げられている. しかし,東京都立高等学校入学者選抜の英語検査においては,現在,「話すこと」の評価を行っていない.これは,選抜の当日に全受験者に「話すこと」の検査を行うことが物理的に不可能であることが理由である. そこで,現在,東京都教育委員会は,英語の資格・検定試験を行っている民間の事業者の知見を活用し,都立高等学校の入学者選抜に「話すこと」の評価を導入することを検討している.ここに,これまでの取組内容等について報告する.