著者
宇田川 佳久
雑誌
研究報告ソフトウェア工学(SE)
巻号頁・発行日
vol.2009, no.31(2009-SE-163), pp.263-270, 2009-03-11

CMMI などの開発標準では,品質向上のため工程を跨る設計項目の来歴管理を義務付けている.多くのシステム開発における設計項目数は数百以上であることから,来歴管理を実施するためには,網羅的,客観的かつ効率的な設計項目の抽出が前提となる.一方で,設計書は,設計の目的に最適化した記法によって記述されており,設計書間の整合性の確保を難しくしている.本文は,Web システムの外部設計と内部設計を対象とし,各種の設計書から設計項目を木構造として網羅的に抽出する方法について論じている.また,来歴管理の一手法として提唱されている設計項目間の “トレース関連” を一括して定義する方法を述べている.
著者
宇田川 佳久
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. SWIM, ソフトウェアインタプライズモデリング (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.112, no.179, pp.27-32, 2012-08-14
被引用文献数
1

本文では,制御文の構造を使ったソースコードの検索手法について論じている.制御文を抽出するための専用の構文解析処理を開発した.抽出した構造情報は,ソースコードの検索に直接使うことも,ベクトル空間モデルの入力データとしても使うことができる.Struts 2 Coreソースコードについて,2種類の検索実験を行った.最初の実験は例外処理とスレッドの同期処理に関するものであり,try-catchとsynchronized文をキーにした.次の実験では,ベクトルの類似度と本文で新たに導入したベクトルの相違度を使ったものである.両方の実験で,整合性を保って管理すべき複数の類似したソースコードを検索することができた.