著者
安 熙卓
出版者
九州産業大学
雑誌
九州産業大学経営学論集 (ISSN:09184635)
巻号頁・発行日
vol.14, no.4, pp.15-30, 2004-03-18

近年, 日本ではパートタイム・アルバイトや派遣労働者を中心とした非正規労働者の増加が著しい。その背景には國際競争の激化, サービス経済化が進展する中で, 需要側と供給側のニーズによるものが大きい。すなわち, 人件費削減や景気変動に応じて雇用量を調整していこうという企業側のニーズと労働者の就業意識, 転職意識の変化など働く側のニーズの一致を挙げることができる。また, 最近においては, 非正規労働者の仕事の内容と質が正規労働者と変わらない非正規労働者の基幹化現象も現れている。それにもかかわらず, 非正規労働という雇用形態のため正規労働者に比べ, 賃金水準が低いなどさまざまな問題が提起されている。本稿では, 非正規労働者の増加要因と非正規労働者, とりわけパートタイム労働者と派遣労働者の実態を最近の調査データを用いて究明した。