- 著者
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安住 誠
佐賀 祐司
橋本 博
柿崎 秀宏
- 出版者
- 泌尿器科紀要刊行会
- 雑誌
- 泌尿器科紀要 (ISSN:00181994)
- 巻号頁・発行日
- vol.52, no.10, pp.781-784, 2006-10
著者版1994年7月〜2005年2月に3ヵ月以上の内分泌療法後に前立腺前摘除術を行い、pT0と診断された11例を対象とした。内分泌療法はLH-RHアナログ単独投与または抗アンドロゲン剤と併用投与が行われていた。病理学的に残存癌を認めない11例中9例は、サイトケラチン染色でも癌病巣は確認できなかったが、2例に残存癌が検出された(症例2と症例7)を報告した。症例2(64歳男)。1997年9月にPSA8.1ng/mlで経直腸的前立腺生検を実施し、低分化型腺癌診断のもとMAB療法を4ヵ月間実施後、翌年2月に根治的前立腺全摘除術を行った。残存癌なしで経過観察中、H-E染色で認識しにくい小腺管構造がAE1/AE3染色で多数確認された。症例7(58歳男)。2003年3月にPSA10.5ng/mlで経直腸的前立腺生検を実施し、中分化型腺癌と診断されMAB療法を5ヵ月実施した。半年後に根治的前立腺前摘除術後、残存癌なしで経過観察中、H-E染色で認識しにくい小腺管構造がAE1/AE3染色で多数確認された。