著者
安居院 あかね 池田 直
出版者
独立行政法人日本原子力研究開発機構
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2011

軟X線領域の発光は励起された内殻電子が属するイオン内で光学過程が完結する局所発光モデルで説明されてきた。本研究は電荷秩序状態でFe2+とFe3+が交互に配列するLuFe2O4においてFe3d-2p発光分光スペクトルを測定し、スペクトル構造がFe2+及びFe3+に起因する構造だけでは説明できず、両イオンが光学過程に参加する非局所発光があることを検証した。電荷秩序系物質の示すさまざまな物性を引き起こす電子相関も非局所発光過程の観測から議論できると期待される。