- 著者
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本村 友一
平林 篤志
久城 正紀
阪本 太吾
船木 裕
安松 比呂志
益子 一樹
八木 貴典
原 義明
横堀 將司
- 出版者
- 一般社団法人 日本外傷学会
- 雑誌
- 日本外傷学会雑誌 (ISSN:13406264)
- 巻号頁・発行日
- pp.37.3_11, (Released:2023-06-28)
- 参考文献数
- 22
背景 我が国で外傷診療の質が経年的に評価された研究は少ない.対象と方法 2009-2019年に千葉県内で発生した交通事故による24時間以内死亡者のうち救急隊接触時に生命徴候が認められた患者 (patient with sign of life : SOL+) を対象とした. 警察, 消防および医療機関から経時的な情報が収集され, 事例検討会 (peer review) で各症例は「防ぎ得た外傷死Preventable Trauma Death : PTD」, 「PTDの可能性 (potentially-PTD : p-PTD) 」および「救命不能」に分類された.以下の仮説を検証した. (1) PTDとp-PTDの割合 (以下PTD率) は経年的に低下した (2) PTDとp-PTDで循環管理と止血術に問題がある (3) SOL+を多数受け入れている救命救急センターではPTD率が低い結果 対象785例のうち65例がPTD, 86例がp-PTDと判定された. 仮説(1)(2)(3)はいずれもその通りであった. (2)では70例 (46%) で循環管理/止血術に問題ありとされた.結語 千葉県の交通事故死亡事例においてPTD率は経年的に低下した. PTD/p-PTDの46%で初療室での循環管理/止血術に問題があった.