著者
北小屋 裕 近藤 久禎 横堀 將司 中田 敬司
出版者
一般社団法人 日本臨床救急医学会
雑誌
日本臨床救急医学会雑誌 (ISSN:13450581)
巻号頁・発行日
vol.16, no.5, pp.702-706, 2013-10-31 (Released:2013-11-25)
参考文献数
9

老人保健施設で発生した心肺停止症例に対して,臨場した医師の具体的指示を受け,救急救命士が特定行為を実施した事案を経験した。この事案に対し,救急現場に医師が臨場している場合には医師が救命行為を実施するべきであり,たとえその医師から特定行為の具体的指示を受けたとしても救急救命士は特定行為を実施するべきではないとの指摘を地域メディカルコントロール協議会より受けた。救急救命士が特定行為を行いうる指示要件や場所的要件,医師が臨場した場合の救急救命士の特定行為について,救急救命士法の解釈を中心に考察した結果,医師臨場下で特定行為を実施することは法的には問題ないが,医師の身分確認やメディカルコントロール協議会との整合性などいろいろな問題点をクリアする必要性が明らかとなった。
著者
横堀 將司
出版者
医学書院
巻号頁・発行日
pp.922-933, 2021-09-10

Point・外傷診療は時間との勝負である.迅速な初期蘇生はもちろんのこと,正確な重症度,緊急度の評価は必須である.・根治的治療がシームレスに継続されるための情報伝達項目を明確にしておく.チーム医療(戦略,戦術,チームワーク)の確立は必須である.・搬送を急ぐあまり,気道,呼吸,循環の安定化を怠ってはならない.付加的な二次的脳損傷は患者転帰をむしろ悪化させる.
著者
森田 尚樹 佐藤 幸男 櫻井 裕之 横堀 將司 石川 秀樹 梶原 一 海田 賢彦 松村 一 福田 令雄 濱邉 祐一 磯野 伸雄 田上 俊輔 藤原 修 副島 一孝 新井 悟 佐々木 淳一
出版者
一般社団法人 日本熱傷学会
雑誌
熱傷 (ISSN:0285113X)
巻号頁・発行日
vol.48, no.3, pp.76-89, 2022-09-15 (Released:2022-09-15)
参考文献数
17

東京都熱傷救急連絡会は熱傷救急ネットワークとして参画施設よりデータを収集, 分析し熱傷に関する啓発活動等を行っている. 今回1991年から2020年の30年間分9,698症例のデータを5年ごとに分け分析し, 熱傷症例の傾向を検討した.  総症例数に大きな変化は認めず, おもな受傷原因はflame burn, scald burn, inhalation injuryの順に多かった. 平均熱傷面積は有意に減少を認め, 平均年齢は有意に上昇し, 死亡率は有意に低下を認めた. 死亡症例の平均年齢は有意に上昇し, 平均熱傷面積は減少した. 死亡症例のBIは有意に減少したが, PBIは変化を認めず, 100をこえると死亡率は60%以上となった. 原因別症例数推移は, scald burnは増加傾向を, inhalation injuryは有意に増加した. これに対し, flame burnは有意に減少を認めた. Flame burnでは火災, コンロ等, 自傷行為, scald burnではポット・鍋の湯・油, 熱い食べ物, 風呂・シャワーがおもな受傷原因であった.  年齢別症例数は, 年少年齢 (0~14歳) ではポットの湯や油によるscald burn症例が増加傾向にあり, 対して火災によるflame burn症例は減少傾向を示した. 生産年齢 (15~64歳) では火災や自傷行為によるflame burn症例は減少傾向を認めた. 老年年齢 (65歳以上) では火災, コンロによるflame burn, 熱い食べ物, ポットの湯によるscald burnで症例数の増加を認めた. 出火原因はタバコの火の不始末 (不適当な場所への放置), 焚火, コンロが多く, 今後高齢者人口の増加に伴い, タバコの火の不適切な場所への放置, 焚火への注意喚起や, コンロ等のIH化や難燃性の衣類の推奨, ポットや鍋等の熱い食べ物による熱傷に対する啓発活動が重要であると考える.
著者
横堀 將司 山口 昌紘 五十嵐 豊 亦野 文宏 廣中 浩平 恩田 秀賢 桒本 健太郎 荒木 尚 布施 明 森田 明夫 横田 裕行
出版者
一般社団法人日本脳神経外科コングレス
雑誌
脳神経外科ジャーナル (ISSN:0917950X)
巻号頁・発行日
vol.25, no.3, pp.220-228, 2016 (Released:2016-03-25)
参考文献数
27

頭部外傷や脳卒中, 心停止後症候群 (post cardiac arrest syndrome : PCAS) など, 神経救急疾患において脳保護・脳蘇生を指向したモニタリングの重要性が強調されている. また, 依然challengingではあるが, 各種モニタリングを治療方針決定に生かす試みも始まっている. 新しいモニタリングとしてPCAS患者でのaEEG・rSO2による予後予測, 神経外傷モデルによるバイオマーカー (UCH-L1, GFAP) 測定などが挙げられる. これらモニタリングと治療の往復がさらなるエビデンス構築に寄与すると期待される.  本稿は神経救急分野におけるモニタリングの重要性と, それらを加味した治療戦略確立の重要性を提示する. 救急脳外科疾患における “判断と行動” の一助になれば幸いである.
著者
中江 竜太 佐々木 和馬 金谷 貴大 富永 直樹 瀧口 徹 五十嵐 豊 萩原 純 金 史英 横堀 將司 布施 明 横田 裕行
出版者
一般社団法人 日本外傷学会
雑誌
日本外傷学会雑誌 (ISSN:13406264)
巻号頁・発行日
vol.33, no.4, pp.398-402, 2019-10-20 (Released:2019-10-20)
参考文献数
12

カイロプラクティックという軽微な外力により両側頸部内頸動脈解離を来したと考えられた1例を経験したので報告する. 症例は41歳の女性, 痙攣を主訴に救急搬送された. 頭部CTでくも膜下出血を, 脳血管撮影でくも膜下出血の原因と考えられる左内頸動脈瘤を認めた. また両側頸部内頸動脈解離を認めた. 同日脳動脈瘤クリッピング術を行ったが, 翌日脳梗塞が出現した. その後の病歴聴取で27日前からのカイロプラクティックへの通院歴が判明し, 両側頸部内頸動脈解離の原因であると考え, 脳梗塞の原因も左頸部内頸動脈解離からの血栓塞栓症と考えた. 抗血小板薬で治療を行い第29病日にリハビリ病院に転院した. 発症3ヵ月後のMRAでは両側頸部内頸動脈解離は軽快した.
著者
横堀 將司 金谷 貴大 横田 裕行
出版者
医学書院
雑誌
medicina (ISSN:00257699)
巻号頁・発行日
vol.54, no.12, pp.1991-1996, 2017-11-10

Point◎意識障害患者において,脳波異常がみられるてんかん患者が稀ならず存在する.◎最近のガイドラインでは「可視的な症状(発作)の有無によらず,臨床的あるいは電気的(脳波で確認できる)てんかん活動が少なくとも5分以上続く場合,あるいはてんかん活動が回復なく反復し,5分以上続く場合」をてんかん重積状態(SE)と定義している.◎SEは,全身痙攣が主体の痙攣性てんかん重積状態(CSE)と,痙攣を伴わない非痙攣性てんかん重積状態(NCSE)に分類される.また,抗てんかん薬2剤により適切に治療してもてんかん発作が治まらないSEを難治性てんかん重積状態(RSE)と分類する.◎持続脳波モニタリングは,集中治療中においても脳波異常の確認からNCSEの診断と治療に有用である.