著者
泊 惇 柳橋 次雄 安藤 哲夫 脇阪 一郎 アサ ビルヒリオデ バティック フペンドラ
出版者
日本民族衛生学会
雑誌
民族衛生 (ISSN:03689395)
巻号頁・発行日
vol.48, no.4, pp.189-199, 1982
被引用文献数
1

本研究はフィジー諸島における人々の医療サービスの利用状況を疾病行動の視点から分析することを目的とした。 調査はCWM病院の外来患者365名を対象とし面接調査を実施し,なお一部フィジー政府の年報を参考に分析し,以下の結果を得た。 1) 病院の利用率がフィジー人よりもインド人に高いことから,フィジー人においてはむしろ伝統的な医療への依存が高く,病院で受ける医療サービスが潜在しているものと示唆された。 2) 薬草,祈とう,治療者などの伝統医療は近代医療と同様に,該国の医療サービスにおいて近代医療の代替ではなく,重要な役割を有し健康養護の為の重要な社会資源となっているものと考えられた。
著者
安藤 哲夫
出版者
鹿児島大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2006

M町における252組の母児調査で児のメチル水銀曝露の成長・発達への影響を検討した。母の頭髪総水銀濃度の幾何平均濃度は1.60ppmであった。母乳を与えた期間が長いほど母の頭髪水銀濃度は低く、1ヶ月間の母乳の授乳によって1.065ppmの頭髪水銀濃度が低下したことが回帰係数から算出できた。出産間隔が短いと母の頭髪水銀濃度は高かった。母乳の授乳期間が長いほど児の独り歩きの時期が誕生日を含めてそれ以降の児が多くなる頻度が高かった。