著者
清水 栄二 安藤 龍彦 北島 崇雄 伊勢 寿一
出版者
公益社団法人 日本コンクリート工学会
雑誌
コンクリート工学 (ISSN:03871061)
巻号頁・発行日
vol.24, no.6, pp.32-39, 1986

瀬戸内海の大型埋立護岸建設工事において, 特殊水中コンクリートの本格的な海上施工を行った。工事は沖合い1km, 水深5~7mの場所に, 長さ86m, 幅8m, 高さ2m, の基礎コンクリートを打設したものである。施工は, 現地の海上にコンクリートポンプとトレミーを取り付けた台船を固定し, 陸上プラントで製造した生コンクリートを生コン車ごとフェリー台船で海上輸送する方法で行った。コンクリートの品質管理はフレッシュコンクリートのフロー値及び水中作製の供試体の硬化後の圧縮強度で行い, 強度及びコンクリートの仕上り天端の平坦性は予定どおりの結果を得た。また, 本工事の施工により次のことが明らかになった。(1)トレミーにコンクリートポンプのホースを直結した打設方式により, コンクリートの打設能率が従来方式の1.5倍になった。(2)ネット型わくの使用により, 現地作業の大幅な工期短縮と, ネット型わくの実用性が証明された。