著者
安部 昌宏 前田 泰宏 本田 隆文 安川 久美 武藤 順子 髙梨 潤一
出版者
一般社団法人 日本小児神経学会
雑誌
脳と発達 (ISSN:00290831)
巻号頁・発行日
vol.49, no.4, pp.275-278, 2017 (Released:2017-07-12)
参考文献数
10

臨床経過および特徴的なMRI所見から可逆性脳梁膨大部病変を有する軽症脳炎・脳症 (clinically mild encephalitis/encephalopathy with a reversible splenial lesion; MERS) と診断した2症例に対し, 急性期および回復期に脳梁膨大部をMR spectroscopyにて解析した. 2例ともにcholine/creatine比が回復期に比して急性期に高値となり, 髄鞘代謝に何らかの変化が生じていることが示された. みかけの拡散係数の低下が一過性であることと合わせ, MERSの病態として髄鞘浮腫が示唆された.