著者
新 博行 安部田 貞行 佐和橋 衛
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. RCS, 無線通信システム (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.100, no.435, pp.57-62, 2000-11-10
被引用文献数
7

本稿では50-100MHz程度の無線帯域幅で, 多値変調(8PSK, 16QAM), ハイブリッドARQ, およびコード多重を用いて, マルチキャリア(MC)-CDMAに基づいたTD-OFCDM(Time Division-Orthogonal Frequency and Code Division Multiplexing, 512サブキャリア, サブキャリア間隔156.25kHz)により, 最大情報伝送速度100Mbps以上を実現する下りリングブロードバンド高速パケット伝送の提案を行う.シミュレーション結果より, コード多重数が拡散率に近い条件では, コードチャネル間の直交性が周波数選択性フェ-ジングにより崩れる影響で, 多値変調を用いる場合あるいは誤り訂正符号の符号化率を大きくした場合に, スループット特性が劣化することを明らかにした.16コード多重(拡散率16), 8PSKおよび符号化率R=2/3の畳み込み符号化を用いると, 3パスのレイリーフェージング環境下(遅延スプレッドσ=102.1nsec)で平均受信E_b/N_0が約24dB以上の場合に, 約105Mbpsの情報伝送速度を実現できることを示した.さらに, 24パスのレイリーフェージング環境下(σ=205.6nsec)においても, QPSKおよび符号化率R=4/5あるいは8PSKおよびR=1/2の畳み込み符号化を用いると, 平均受信E_b/N_0が約20dB以上の領域で約85Mbpsの情報伝送速度を実現できることを示した.