著者
宋 正永
出版者
日本知能情報ファジィ学会
雑誌
日本ファジィ学会誌 (ISSN:0915647X)
巻号頁・発行日
vol.10, no.3, pp.506-512, 1998-06-05

ハングル(韓国文字)は14個の子音字と10個の母音字を2次元的に組合わせることによって構成される。ハングルの文字構造は定まっており、字素は規則に従って配置される。本論文では、これらの点に着目し、文字構造情報に基づく手書きハングル認識手法を提案する。まず、前分類としてハングルが構造上6つに分類できる点より、傾きを考慮した改良型周辺分布や知識ベースによって対象文字の構造を識別する。分類された構造の内で、基本セグメント(/、\、|、-、○)の数を抽出し各セグメント毎に特徴パラメータを求め、手書きにより生じる個人差の特徴パラメータの変動量をファジィ変数として捕らえ、ファジィ推論を行って認識する。またつながっている綴り文字に対しても検討を行い、字素の切り離し手法を導入した。認識実験としては、参照パターンとは別に男女15人から884文字を書いてもらい実験した結果、95%の認識結果が得られた。