著者
宗 好秀
出版者
土質工学会
雑誌
土質工学会論文報告集
巻号頁・発行日
vol.14, no.3, 1974

近年フィルダムを築造する例が多くなり, 北海道においても戦後, 合計45(完了 : 15,施行中 : 24,計画中 : 6)の多くを数えている。フィルダムとはアースダム・ロックフィルダム・砂利ダムを総称しているが, それはさらに, 均一型, ゾーン型, 舗装型に大別できる。筆者らは, 道内の多くのフィルダム用土の材料試験を行ない, 強度定数などについて多くの提案をしてきている。ここでは, 1)道内フィルダムについて, 完成, 施工中, 計画に分けて分布が示され, 2)築堤用土として道内に広く分布している高含水の火山灰性土について, その特性を明らかにし, 種々の検討をしている。とくに火山灰性土は築堤用土としては劣悪であり施工上は十分に留意する必要がある。その中で, 生試料と乾燥試料とで, 粒径分布曲線, アッターベルグ限界, 締固め試験結果などに, さらにセン断定数などにも大差があり, 具体的な例で十分な留意の必要性を述べている。3)ランダム材として河床砂レキについて, 粒径分布や強度定数から, 築堤にあたっての留意点や強度定数を提案している。