著者
定塚 敏嗣 松野 宏己 八重沢 隼 新井 宏之
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. A・P, アンテナ・伝播 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.108, no.148, pp.201-206, 2008-07-16

本報告では,アレーアンテナを用いた到来方向推定における推定精度と計算量の2つの観点から,信号相関行列の固有値分解や角度サーチを用いないプロパゲータ法の優位性を確認するために,Beamformer法,Root-MUSIC法,TLS-ESPRIT法の3つのアルゴリズムとの比較を行う.推定精度は,シミュレーションと電波暗室内での実験結果を用いて評価し,計算量は各アルゴリズムにおいて受信信号から到来方向推定結果導出までに要する乗算回数の検討を行い定量的に評価する.シミュレーションと実験から推定精度がおおよそ等しくなる場合,プロパゲータ法の推定結果導出までに要する乗算回数は他のアルゴリズムの数十%となり,プロパゲータ法は所望の精度に対し,高速なアルゴリズムであることを示す.