著者
井本 治孝 定木 啓 服部 進
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集F
巻号頁・発行日
vol.62, no.2, pp.367-376, 2006

原子力施設の高放射線環境下で稼動中の機器の多くは定期的に交換される.機器は配管により相互接続されており,機器の交換の際には関連する配管も交換される.配管の交換においては,現地にて取り合い位置を高精度で計測し,現場調整が不要な配管を製作することが必要である.従来,専用の取り合い寸法計測装置を用いて計測を行っていたが,計測後の装置が大量の放射性廃棄物となる,作業員が被ばくする,工期が長いといった問題点があった.そこで今回,デジタルカメラを用いた三次元画像計測手法による遠隔保守システムを開発し,ガラス溶融炉の遠隔交換工事に適用した.その結果,前述の問題点が解決されるとともに,日本では初めてロボットを用いた完全遠隔操作による20tクラスの大型機器の交換に成功した.