著者
井本 治孝 定木 啓 服部 進
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集F
巻号頁・発行日
vol.62, no.2, pp.367-376, 2006

原子力施設の高放射線環境下で稼動中の機器の多くは定期的に交換される.機器は配管により相互接続されており,機器の交換の際には関連する配管も交換される.配管の交換においては,現地にて取り合い位置を高精度で計測し,現場調整が不要な配管を製作することが必要である.従来,専用の取り合い寸法計測装置を用いて計測を行っていたが,計測後の装置が大量の放射性廃棄物となる,作業員が被ばくする,工期が長いといった問題点があった.そこで今回,デジタルカメラを用いた三次元画像計測手法による遠隔保守システムを開発し,ガラス溶融炉の遠隔交換工事に適用した.その結果,前述の問題点が解決されるとともに,日本では初めてロボットを用いた完全遠隔操作による20tクラスの大型機器の交換に成功した.
著者
秋本 圭一 服部 進 井本 治孝
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. D-II, 情報・システム, II-パターン処理 (ISSN:09151923)
巻号頁・発行日
vol.84, no.7, pp.1299-1309, 2001-07-01
被引用文献数
16 6

この論文では, CCDカメラを用いた画像計測手法で橋梁・船舶のような大型構造物の3次元形状を精密に測定する方法を示した. これによって将来, 仮組工程が省略できると多大のメリットが期待される, 計測対象物に反射ターゲットを貼り, いろいろな方向からストロボ撮影する. 写真のターゲット座標から共線条件式をつくり, これを繰返し最小2乗法で解いて, ターゲットの対象空間座標を求める. このとき基準点がないことから正規方程式の係数行列にランク落ちが起きるため, 人為的な拘束条件を付加するフリーネットワーク解法を用いた. 大きさ600×400×300mmの試験対象を用い, 画像枚数を変えて得られる精度を比較した. 検証のために精密測定機での計測値と比較したところ, 差の2乗平均値は8枚以上の画像で40μm以内であった.