- 著者
-
定清 剛
安田(山下) 亜希子
三皷 仁志
牛尾 慎平
- 出版者
- 一般社団法人 日本応用糖質科学会
- 雑誌
- 応用糖質科学:日本応用糖質科学会誌 (ISSN:21856427)
- 巻号頁・発行日
- vol.8, no.4, pp.291-297, 2018-11-20 (Released:2022-03-09)
- 参考文献数
- 32
4G-β-D-Galactosylsucrose(ラクトスクロース;LS)は,マウスにおいてスギ花粉抗原特異的なIgE産生を抑制することが報告されているが,ヒトを対象にした評価は行われていない.そこで,本研究では,スギ花粉等の飛散時期に花粉症の症状を呈する被験者にLSを摂取させ,症状の変化を解析した.試験はプラセボ対照ダブルブラインド方式で行った.被験者をLS群とプラセボ群に分け(n = 20),LS群にはLS 3gを含む水飴を,プラセボ群にはLSを含まない水飴を1日1回,18週間摂取させた.LS群では,プラセボ群と比較して鼻症状および眼症状が有意に軽減した.また,鼻と眼の症状薬物スコアもLS摂取によって有意に低下した.日常生活の支障度についてもLS摂取によって有意な低下が認められた.以上の結果から,LSの長期摂取は花粉症の症状を緩和し,花粉飛散時期における生活の質を改善することが示された.