著者
岩波 基 定藤 誠一郎 五十嵐 祐貴
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集F1(トンネル工学) (ISSN:21856672)
巻号頁・発行日
vol.67, no.3, pp.I_117-I_126, 2011

大規模な開削トンネルの側壁に生じる温度応力ひび割れはトンネルの耐久性を損なう.そこで温度応力ひび割れを抑えるために温度応力解析が行われることが多い.しかし,その解析の条件設定には課題が多い.<br> そこで,本論文は,大規模な開削トンネルの厚さ1.0m程度の側壁に着目し,まず,乾燥収縮ひずみを考慮すること,次に,コンクリート標準示方書設計編の図を用いる方法,最後に,湿気移動による乾燥収縮を考慮した3次元温度応力解析を実施する方法,これらの3種類の方法を試み,温度応力解析の精度の向上を試み,その結果,解析精度が向上することをまとめたものである.