著者
坂井 優美 木村 智博 福田 誠 橋本 治 岡田 勝也 伊藤 真理 川原 潮子 岩波 基
出版者
社会技術研究会
雑誌
社会技術研究論文集 (ISSN:13490184)
巻号頁・発行日
vol.7, pp.31-44, 2010 (Released:2011-09-14)
参考文献数
23
被引用文献数
2 2 1

兵庫県南部地震以降,廃棄物学会を中心に,地盤工学領域では応用地質学会や日本粘土学会等が災害廃棄物の調査を行うようになった.本研究では2007年新潟県中越沖地震を例に,廃棄物行政の実態を俯瞰し,住民に求められる危機管理の方向性を現地調査やアンケート等で明らかにした.また,東京都等の震災廃棄物対策を参照しつつ,地盤材としての有効性を検討した.この一連の流れで,徹底した分別回収がなされたこと,家族や住民間の協力で非常時の自主防災の成否につながったこと,膨大な廃棄物でも適正処理により環境影響を低減出来る可能性が筆者らの調査で示唆された.さらに廃棄物に内在する重金属にも言及し,新潟県内海岸部での調査結果や処理技術の現状も参考のために概観した.
著者
大場 雄登 松岡 馨 中西 克佳 岩波 基
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集 (ISSN:24366021)
巻号頁・発行日
vol.79, no.5, pp.22-00286, 2023 (Released:2023-05-20)
参考文献数
20

都市部を中心に狭隘地での急速施工が要求される橋脚基礎工事があるが,従来工法では専有面積や工期の観点から実施が難しいのが現状である.そこで,上記に適した立坑構築技術の鋼製セグメント圧入工法を活用し,RC基礎を構築する工法に着目した.しかし,既存の鋼製セグメントは仮設地下壁の部材で,別途内部に本設RC基礎を構築する必要があり,合理化が望まれる構造であった.筆者らは,鋼製セグメントを本設RC基礎の本体構造における帯筋部材として評価する合成構造基礎とし,狭隘地に急速に基礎を構築する合理的な工法を提案した.本研究では,構造の具体化および,従来工法のRC基礎と提案した合成構造基礎の縮尺試験体を用いた正負交番載荷試験を実施し,従来工法のRC基礎と同等以上の耐震性能を合成構造基礎が有することを確認した.
著者
岩波 基 定藤 誠一郎 五十嵐 祐貴
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集F1(トンネル工学) (ISSN:21856672)
巻号頁・発行日
vol.67, no.3, pp.I_117-I_126, 2011

大規模な開削トンネルの側壁に生じる温度応力ひび割れはトンネルの耐久性を損なう.そこで温度応力ひび割れを抑えるために温度応力解析が行われることが多い.しかし,その解析の条件設定には課題が多い.<br> そこで,本論文は,大規模な開削トンネルの厚さ1.0m程度の側壁に着目し,まず,乾燥収縮ひずみを考慮すること,次に,コンクリート標準示方書設計編の図を用いる方法,最後に,湿気移動による乾燥収縮を考慮した3次元温度応力解析を実施する方法,これらの3種類の方法を試み,温度応力解析の精度の向上を試み,その結果,解析精度が向上することをまとめたものである.
著者
尾上 篤生 岩波 基
出版者
長岡工業高等専門学校
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2008

地震時の地盤の液状化による建物の傾斜と基礎の不同沈下、および使用限界の関係を調べた。液状化した地盤の地下水位について、季節変動量や降雨との関係を明らかにした。液状化によって大きな被害を受けた家屋と、液状化対策のお陰で被害を免れた家屋の数値解析的ケーススタディの援用を得て、地震時に地盤が液状化しないための地盤改良工法や、地盤が液状化しても建物が傾斜せず不同沈下しないための基礎の選定方法を提案した。