著者
赤羽 智幸 保坂 良資 室橋 高男
出版者
一般社団法人 日本医療情報学会
雑誌
医療情報学 (ISSN:02898055)
巻号頁・発行日
vol.33, no.1, pp.15-25, 2013 (Released:2014-10-10)
参考文献数
25
被引用文献数
1

病院内では,小型の輸液ポンプやシリンジポンプなどが随所で稼働している.これらの小型ME機器は病院のMEセンターで周期的に検査され安全性が維持されている.しかしながら,病棟が多忙な際などにはそれらが行方不明となることがある.もしもこれらの機器の検査が不十分であった場合,患者は危険な状況に置かれる可能性がある.そのため,これらの機器がMEセンターで定期的に管理されることが重要といえる.本論文では,これらの機器の所在管理に,UHF帯パッシブRFIDタグシステムを提案する.このシステムにより,医療職者の業務負担を増大させることなく,小型ME機器の所在管理が可能となる.本研究では,このシステムの実用性の確認のため,札幌医科大学附属病院で検証実験を行った.病院での応用を前提とした実験結果から,UHF帯パッシブRFIDタグを付した輸液ポンプが,院内で簡便かつ確実に定位できることがわかった.