著者
宮井 弘之
出版者
日本マーケティング学会
雑誌
マーケティングジャーナル (ISSN:03897265)
巻号頁・発行日
vol.41, no.4, pp.42-52, 2022-03-31 (Released:2022-03-31)
参考文献数
29

本研究では,エフェクチュエーション研究とビジネスモデル研究を体系的に関連づけ,マーケティング・インプリケーションの導出につながる視角の提案を目的とし,両研究の接続可能性を検討した。特に,企業のビジネスプロセスとシステムの階層に着眼することで両研究の接続可能性を検討できることを示した。実践型研究から得られた3人の起業家へのインタビューを用いて,起業家個人のエフェクチュエーションによる意思決定を,「バリュープロポジション,ピヴォット,プロダクトマーケットフィット」などのビジネスモデル研究やビジネスモデル開発実務で利用されているフレームワークと対応付けて整理し,企業内の個人によるエフェクチュエーションによる意思決定を集団による意思決定へと接続できる可能性を示した。